自由診療をしていると、保険診療に比べて、患者様の費用面での負担もふまえたカウンセリングが重要だな、とひしひし感じます・・
最近、”腸活”とか”菌活力”とか良く耳にしますが、なにかと話題の腸内細菌。
分子栄養医学でも、アンチエイジング医療でも
“まずは腸内環境から!”
は共通の認識です。
腸内細菌には3つのグループ:善玉菌、悪玉菌、日和見菌
があり、ざっくり言うと、
善玉菌 ・エサは食物繊維 ・乳酸、酪酸を産生し感染から守る。 ・ビタミンBやビタミンKを産生 ・免疫細胞を活性化する ・腸の動きを正常化する 悪玉菌 日和見菌 |
となります。
腸と脳は繋がっていて、悪玉菌が増えて腸内環境が悪くなってくると、
- ミトコンドリアの機能が落ちる
エネルギー不足で疲れる
結果、酸化ストレスに負けて老化が進んでしまう - アミノ酸代謝がうまくいかず、有害物質が溜まる
- 神経伝達物質の代謝がうまくいかず、キレたり鬱になったりする
などなど、体全体に悪影響が出てきます。
今日は
小池雅美先生の分子栄養学実践講座
でした。
患者さんの顔色や話し方、問診で検査データを予測する
魔女的な栄養学診察とウィットに富んだ講座が大人気の小池雅美先生。
まずは便の形状と腸内環境の関係から始まり、
(腸の中の様々な菌のコミュニティ)
主題の有機酸検査の使い方の講義をして頂きました。

有機酸検査・・聞き慣れないかもですが、一言で言うと
腸内環境や体内の代謝状況を診れる尿検査
です。
腸に住んでいる微生物が代謝して産生した物を尿検査をで間接的に診ていきます。
腸内細菌の代謝物は腸の粘膜を介して血中にも流れ行くため、
・エネルギー代謝回路(ミトコンドリアの働きが阻害されている部位を見れる)
・糖質代謝の回路(糖質をうまくエネルギーに変換できてるか?)
・脂質代謝回路(なかなか脂肪が落ちない原因がわかることも)
・神経伝達物質のバランス(イライラや落ち込みやすいのはあなたのせいではなく腸内細菌の仕業の可能性も!)
・腸内の悪い菌のおおよその量(カンジダやクロストリジウム等)
・メチレーション回路の状態(本当に必要なサプリ、飲んではいけないサプリがわかる)
・有害物質に暴露させているか(シャンプーなど身の回りの化学物質による影響)
などなど多岐にわたり評価でき、回路の詰まっている部位にはその原因を検討した上で、必要な栄養素の補充をしていきます。
色々な検査がありますが、血液検査以外にどれか1つ!となるなら迷わず有機酸検査をおすすめします。
腸内には100兆~1000兆個の腸内細菌が生息し、便の半分は彼らとその死骸と言われています。有機酸検査では、彼らの働きを代謝物質を通して評価していくことができるのです。
読解には以前の分子栄養学実践講座のブログにも出てきた、難しい複雑なメチレーション回路の理解が必要ですが、
読解ができるようになると、検査結果を見てるとその方の性格や行動パターンがなんとなく予想できるようになってきます。
ランチはヒルズクリニックの蘆田先生が経営される代官山サラダのヘルシーサラダ。
ヘルシーなだけでなく、ドレッシングも沢山種類があって美味しかった。
栄養講座だけあって、こんな沢山の処方箋サラダが
グルテン、カゼイン、トランス脂肪酸フリーに加え、ω3オイル入り。
そして後半は症例検討会
ラッキーなことに小池チームに入れました。
実際の症例を読みながら、
- 消化機能が落ちてる人の食事方法
- データに基づいた糖質制限の仕方
- 検査結果を全体的に評価する方法
などなど。そして具体例で、
特に面白かったのが、
- コーヒー飲んで調子良いと言ってる人は腸内環境が悪い可能性大
- 夜間の歯ぎしりが強い人は睡眠中の低血糖を疑え(
ボトックス打ってたらわかりませんが)
- SEXをすると愛情ホルモン(オキシトシン=平滑筋収縮)が出て便秘が解消することあり。
でした。この他にも沢山のエピソードを交えた貴重な講義であっという間に1日は終わりました。
冒頭の自由診療にかかるコストですが、良かれ!と思ってお勧めしても費用面で患者さんの負担になってしまい、結果ハッピーになってもらえないことがたまにあります。
それに関しても小池先生の貴重なアドバイスを頂けました。
患者さんの幸せのために、学びは続けていこうと思います。
今日もお読み頂きありがとうございました!
松宮
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